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藤の間 Fuji no Ma

藤の間全体を回廊から撮影しています。正面には綴織りの「麗花」があります。手前の上部には鴨居が左右に伸びています。部屋の床には緞通が敷かれています。「麗花」の左右には几帳、前には飾り台が左右対称に置かれています。

藤の花言葉は「歓迎」、迎賓館にふさわしい名をもつ大広間

京都迎賓館で最も大きな部屋で、洋食の晩餐会や歓迎式典の会場として使用されています。
「櫛の歯」の形にテーブルを並べた宮中晩餐方式のレイアウトで約60名、円卓を使うと約120名までの会食が可能です。

見どころのご紹介

「麗花」を斜めに撮影しています。前に置かれている飾り台と比較しても、かなりの大きさであることが分かります。綴織りで表現された鮮やかな草花は、絵と見間違えるほどです。

壁面装飾「麗花」

壁面装飾は、日本画家の鹿見喜陌(しかみ きよみち)の下絵をもとに、綴織りの技法で織った織物で、39種類の草花が織り込まれており、作品名は、「麗花(れいか)」と言います。床に敷かれた緞通は、壁面装飾に描かれた「藤の花」が舞い散った様子を表現しています。

藤の間の格子光天井の写真です。格子状に区切られた区画すべてに、3連の和凧のような照明がひし形状に取り付けられています。下に向かって伸びている照明と、伸びていない照明があり、全体で模様を作り出しています。

格子光天井

天井の照明は、本美濃紙と京指物の伝統的技能が使われた格子光天井になっています。「和凧」の連凧のような3段の笠は、高さが調節でき、そのパターンは、15種類にも及びます。

扉が開かれた舞台を撮影しています。舞台扉には截金の装飾が施されており、舞台上には風が吹いただけで糸がよれると言われるほど薄い幕が下ろされています。その奥に几帳が透けて見えます。

優雅な日本の伝統文化が披露される舞台

舞や能、箏(こと)の演奏、雅楽などが披露され、訪れた賓客の方々へ日本の伝統文化を紹介しています。

舞台扉の截金をアップにして撮影しています。幾重にも重なる金泊やプラチナ箔の細かな文様からは、高度な技量と集中力、と共に作成にかかった膨大な時間がうかがえます。

舞台扉に光る伝統技能「截金」

人間国宝の故 江里佐代子の作品で、金箔と銀色のプラチナ箔を使用しています。金と銀が、互いの美の長所を引き立て合いながら、二つの色が交差するさまに、「人と人との出会いもそうありたい」との願いが込められています。作品名は、「響流光韻(こうるこういん)」と言います。

几帳をアップに撮影しています。等間隔に垂らされている「野筋」と呼ばれる帯状のひもには藤、菊、蓮の花の刺繍が施されています。

伝統技能をちりばめた几帳

室内の間仕切りや目隠しとして使う「几帳(きちょう)」は、絹の薄織物の「紗(しゃ)」よりも薄い「羅(ら)」織物や漆、京縫い、組紐などの伝統技能が用いられています。