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羽衣の間 Hagoromo no Ma

羽衣の間の全景写真。3基のシャンデリアが天井から吊り下がり、寄木張りの床が光輝いています。

天女が舞う華やかな舞踏室

羽衣の間は、迎賓館の西側に位置します。謡曲「羽衣」の景趣を描いた大絵画が、天井に描かれていることに由来しています。 「鏡と金色と緋色」の華麗な大部屋で、かつては舞踏室と呼ばれていました。雨天時の歓迎式典や晩餐会の招待客に食前酒が供されるところでもあります。

見どころのご紹介

天井を見上げると、まるで建物の中庭から空を見上げたかのような情景が広がっています。よく見ると、絵の四方に描かれた香炉から、空に煙が立ち上り、赤やピンクの花が舞っています。

謡曲「羽衣」の景趣を描いた天井画

「虚空に花ふり音楽聞え、霊香四方(れいきょうよも)に薫ず」という謡曲「羽衣」の一節を、フランスの画家が描いたものです。絵の中では、まるで建物の中庭から、空を見上げたかのような情景が広がっています。四方に描かれた香炉からは、空にかぐわしい香りを放つ煙が立ち上り、赤やピンクの花が舞うなど、まさに天女が地上に降り立った直後のただならぬ空の様子が描かれています。

クリスタルガラスが主体となった大きなシャンデリアが天井から吊り下がっています。

当館最大級のシャンデリア

この部屋を照らす3基のシャンデリアは、クリスタルガラスを主体に約7,000個ものパーツを組み合わせた当館において最も大きく、最も豪華なものです。輝く装飾の中には、洋風の仮面や楽器など、舞踏室にふさわしいモチーフが散りばめられています。

羽衣の間のオーケストラボックスの写真。部屋の中二階にオーケストラボックスが設けられている。赤の裂地の飾りカーテンや金箔張石膏レリーフが特長的です。

オーケストラボックス

部屋の北側の中二階には、舞踏会を催す際に音楽を演奏するオーケストラボックスがあります。

ドアの周辺の壁面は、金箔張り石膏レリーフによって装飾されています。バイオリンなどの洋楽器や琵琶や鼓などの和楽器のモチーフが組み合わされています。

壁面のレリーフ

西洋風の仮面やヴァイオリンなどの洋楽器、琵琶や鼓などの和楽器などのモチーフが組み合わされています。

羽衣の間の天井画の写真。天井画は、曲面画法という画法で描かれており、部屋の中央に立って見上げると、柱や香炉がすっきりと立ち上げた構図に見えます。

曲面画法で描かれた天井画

見る位置によって、描かれた柱や煙突が立体的に見える構図になっています。

羽衣の間のグランドピアノの写真。金で装飾された白い壁の前に、金と白のピアノが大広間の中央に立ち、赤いカーテンのオーケストラ・ボックスがあります。

エラール社(仏)製のグランドピアノ

東宮御所の造営時(明治39(1906)年)に「羽衣の間」に置くために購入され、特別な装飾や皇室を表す菊の御紋が描かれています。

幾何学模様を形成するために金が緻密にはめ込まれた木製パネルの写真。

截金(きりかね)の屏風(人間国宝 斎田梅亭(さいたばいてい) 作)

截金は伝統工芸の1つ。金、銀などの箔を細長い線状や三角、四角に切って張付け文様が描かれています。

参観ご希望の方へ

事前予約なし・当日受付でもご参観いただけます。